精神科と聞いてどんなイメージを持たれるでしょうか?
なんか、怖いイメージ。暴力とかあるのでは?
よくわかんない……
看護技術が身につかなさそう。
もしかしたら、マイナスなイメージを持たれている方もいるかもしれません。そんな方のために、奥深い精神科看護の世界をご紹介します。
- 精神科に興味があるけど実際はどんな感じ?
- 精神科は強い、危険なイメージ。実際怖いことはある?
- 精神科に行くと、看護技術が身に着かなさそう。メリットデメリットはある?
- 精神科の魅力ってぶっちゃけ何?
- 精神科の勉強ってどんなことをすればいい?よくわからない。
精神科で働いてみたい人は↓チェック
精神科看護師ってどんなところで働いてる?
実は、けっこう働く場があります!
大学病院の精神科
大学病院にも精神科・心療内科はある場合が多いです。
外来の看護師、病棟、またはデイケアなどで働く精神科看護師がいます。
大学病院の役割として、長期入院は少なく、救急医療、医療教育、確定診断、治験などの役割があります。
疾患も幅広く、急性期~慢性期まで幅広く受け入れますが、入院期間は療養型よりも短めです。
検査入院(1週間程度)~1年くらいの患者さんが多いです。
身体疾患併用の方も多いので、看護技術は一般科より少なくても、経験できることが多いです。
緊急入院も多く、忙しさはあります。
勉強会や教育にも力を入れているので勉強にはなりますし、たくさんの症例を見られることは魅力でもあります。
総合病院の精神科
総合病院でも、病床数は多くはないですが、精神科を設けているところは多いです。
総合病院のメリットは、身体的疾患を持っている患者さんも対応できることなので、身体的疾患を併用した人も多い印象ではあります。
ただ、慢性期になると、療養型に転院される方も多いと思います。
総合病院では、身体疾患も診ることができるので、もし看護技術の低下、経験不足を懸念している看護師は、適しています。
大学病院と同じで、忙しさはありますが、給与や福利厚生はしっかりしており、公務員扱いの病院も多いので、長く働くことを想定している方には、働き方の充実度は高いです。
ローテーションも可能なので、一般科に希望を出せるのもメリットかなと思います。
精神科の専門・単科病院
その名のとおり、精神科のみの専門の病院です。
1960~70年代に多く設立された病院が多く、「社会的入院」の意味合いを持つ病院もまだ多く存在しています。
つまり家、家族では診られない患者さんの行き場がなく、慢性的に何十年もにゅういんされている患者さんも多いです。
症状や環境によっては、家からデイケア、作業所などに通う方もいます。
スーパー救急、救急、急性期、慢性期、身体合併、内科混合、アルコール依存、薬物依存、老人、認知症病棟、児童思春期病棟、男性急性期、女性急性期、男性慢性期、女性急性期、女性慢性期など、精神科のカテゴリー別に分かれています。
精神科で専門性を高めたい人には適していると思います。民間・公立両方あります。
精神科・心療内科のクリニック・心療所
外来診察を主に行う、町のクリニックです。入院施設を持っているところはあまりありません。
精神科と心療内科は、厳密に言うと違います。心の変調には精神科、体が主症状(胃痛、吐き気、胃潰瘍、頭痛、倦怠感など)の場合は心療内科です。
包括センター、保健所
自治体の包括センター、保健所で心の相談業務の仕事があります。
看護師、保健師、精神保健福祉士、公認心理師、臨床心理士などが働いています。
精神科訪問看護
近年、慢性期、症状が落ち着いている方を社会に戻していく動きがあります。
家族と暮らしたり、1人暮らし、グループホームなどに生活の場を移し、定期的に訪問看護という形で、症状の観察、生活の相談、ケア、薬の管理などを行う精神科訪問が増えてきています。
今後もこの動きは進んでいくので、増えてくる領域です。
グループホーム・施設
精神疾患を抱えながらも、症状は落ち着いているが、自宅に帰れない、1人では暮らすのは困難な方が、施設やグループホームで過ごす動きもあります。
そこで、住居の管理、生活の相談などを受ける仕事として管理人の仕事があります。
精神科看護師の仕事内容
精神科看護師の仕事は多岐にわたります。
病院看護師の一日
8:00 情報収集、申し送り、ラジオ体操
9:00 バイタル測定、症状観察、検査、手術、回診の介助、処置、点滴、清潔ケア
10:00 入院、退院指導、レクレーション、行事(集団精神療法など)
11:30~13:30 食事介助、与薬、交代で食事
14:00 カンファレンス、午後のケア、ドクター回診、内服準備など
16:00 記録、申し送り、明日の準備など
17:00 退勤
流れは一般科と同じですが、異なるのはラジオ体操やレクレーション(集団精神療法)などでしょうか。
ケアは一般科よりは少ないですが、全くないわけではないですし、高齢化に伴い、他科受診や身体ケアも増えてきてはいます。また、精神科特有の行動制限(隔離拘束)もあるので、観察、ケア度も高くなります。
精神科看護師の仕事のメリット
精神科は、医師、心理士、精神保健福祉士、その他コメディカルとの連携も大切で、患者の一番近くにいる看護師は信頼されていることが多いです。個別性が重視される精神科では、看護師が介入できる範囲も広く、症状の観察、傾聴、生活指導などアセスメントし、直接介入できることも多いことに精神科の醍醐味もあります。看護師の基本である、観察、コミュニケーション力、アセスメント力が鍛えられる科だと思います。
精神科看護師の仕事のデメリット
一番、心配されているのは医療的ケアが少ないため、医療行為、看護技術の低下を心配している人が多いと思います。確かにその通りで、その結果、身体的疾患の観察、危機感に弱く、早期発見に遅れるという危険もはらんでいます。
でも筋肉注射、点滴、胃菅、留置カテーテルなどは普通にあります。
大きな手術のケア、輸血はほぼないです。
苦手と思われる分野は自分で勉強する、ケアがあるときは積極的にやらせてもらうこと、または盤協会の参加、他科にローテーションを希望するなどが現実的かなと思います。
精神科だからといって、体を看なくていいことにはならないですし、苦手意識があるからこそ、勉強する必要もあるかと思います。高齢化も伴い、身体疾患のケアも避けられないことなので、苦手意識があるのであれば、意識して取り組めばフォローできるかと思います。
暴力や危険のリスクは、そのようなリスクの高い患者さんに対してはそもそも、複数のスタッフで対応するのが基本ですし、そのためのコミュニケーションスキルでもあります。どんな状態で患者さんは興奮し、暴力に発展するのかアセスメントも必要になってくるでしょう。
精神科看護師としての心得
精神科看護師として読みたい本
まとめ
精神科看護は、奥深く、幅広い分野です。
疾患の種類はそう多くはありませんし、医療的ケアは少ないかもしれません。
でも、精神という見えないものをケアすることの難しさ、興味深さが特徴かなと思います。
看護師としての基本を押さえつつ、専門性を持って働ける科です。
働き方としては、体の負担は少なめ(とはいっても楽ではないです)で残業も他の科よりは少ないのも魅力で、長く働けると思います。
コメディカルとの連携も必要なこともあってか、スタッフ同士の関係性も良いところが多いですし、スタッフも個性的で面白い人も多い気もします。
個性を大切にできる稀有な科かなと私は思っています。
少し、未知の世界というか、マイナーイメージの強い精神科ですが、少しでも魅力が伝わると嬉しいです。
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