こんにちは。メンタルナースりんご@nsringo55です。
前回、ストレスとは?ストレスをためるとどうなるかということを書きました。
今回は、具体的にストレス軽減の事について書いていこうと思います。
1・職場のストレスの主な要因は2つ
職場のストレスの主な要因は【環境】と【個人】の2つが考えられます。
①環境要因
主として仕事の量やマネジメント、人間関係に起因するもの。
ストレスの原因(例)
◆職場の人間関係
仕事のストレスの6割は人間関係だと言われています。上司、部下、同僚、付き合い先など、仕事をしていく上で全く人と関わらないというのは難しいでしょう。だからこそ、大きな割合を占めることでもあります。
◆仕事量
仕事が多すぎても少なすぎてもストレスに感じます。適度な仕事量、ペースで仕事ができれば最適ですが、そうでない場合も多いでしょう。
◆仕事の難易度
仕事の難易度が高すぎる、求められることが高すぎることも仕事のストレスとなります。
◆身体的負担
身体的に負担の多い仕事も、ストレスが大きくなります。
◆役割/責任の理解
役割や責任の大きい仕事はストレスが大きくなる傾向にあります。
◆評価の納得感
仕事をしていく上で、適切な評価を得られないことは大きなストレスに繋がります。
◆職場の安定性
職場が人間関係、環境、仕事内容、量、給料などが安定しないことはストレスに繋がります。
◆職場の快適性
長時間働くにおいて、職場の安定性は重要な要素です。
◆キャリアについて
働き続けることでキャリア形成、昇進などが整っているかどうかもストレス関係があります。
◆上司からのいじめ・ハラスメント
理不尽ないじめやハラスメントは大きなストレスとなります。本人同士で解決できないことも多いので、調整役やマネジメントする人も必要でしょう。
◆同僚からのいじめ・ハラスメント
本来、励まし合いながら、切磋琢磨しながら成長すべき同僚からのいじめやハラスメントは精神的にかなりストレスとなります。この場合も、相談役、調整、介入できる人が必要でしょう。
◆セクシャル・ハラスメントなど
男性から女性と言うことだけをさすのではなく、女性から男性へのセクシャルハラスメント、同性間のセクシャルハラスメントも含まれます。
◆仕事による私生活の支障
仕事量が多い、ストレスが多く、私生活でもふさぎ込む、家庭を犠牲にしているなどの弊害、支障があれば大きなストレスと言えるでしょう。
◆プライベートな問題
プライベートな問題が仕事に関係してくることもあります。
【環境要因に対するストレス軽減・ストレスの改善】
実際に、産業医や産業保健師、産業保健看護師、産業保健管理者、産業保健担当スタッフなどがいる場合は、そのスタッフがプランニング、現場のスタッフに働きかけていく、実施と評価をしていくのがいいでしょう。
そのような部署、適任者がいない場合には、管理職が職員の聞き取りをして行うのが良いでしょう。
まずは、オフィスや部署などの小さな単位で要因を洗い出します。
ストレス要因は、職場にいるスタッフや業務の特性から生まれる場合がほとんどです。
職場ごとにストレッサーに応じた解決策をアクションとして実施することが求められます。
①ストレス要因の洗い出し
②具体的プランニング
③スタッフへの喚起・直接的働きかけ
④アクションとして実施
②個人要因
仕事に対して、自分自身をどうとらえているか、どんな思考パターンや行動パターンを有しているかに起因するもの。
ストレスの原因(例)
【自己認識】
◆仕事への自信…自分の仕事に対して、自身の欠如も大きなストレスとなります。
◆強みの発揮…個人の強み弱みがある場合、強みが発揮できないのは不全感につながります。
◆働きがい…働く目的、やりがいを持てないと、仕事をしていても楽しくないですし、続けることが難しいでしょう。
【プラスの認知・行動】
◆対処できる思考…自分で対処できる問題かどうか、できないならばどうするかを考えられる思考が必要です。
◆問題解決行動…問題が起きた時に、解決にむかえるように行動できることが大切です。
◆気分転換行動…ストレスがある時に、気分を変える事、切り替える事、そのための行動ができることが必要です。
◆相談行動…自分で抱えず儀ずに、自分で対処できない時には、他者に相談できること、または困った時に相談できることも問題解決行動として必要です。
【マイナスの認知・行動】
◆出来事を重く受け止める傾向…ミスをした時などに、問題を振り返り、改善に向けて考えることは必要ですが、必要以上に重く受け止めすぎて、次に行動できなくなる、自分を責め続ける行為はうつ状態やうつ病の原因にもなります。
◆あきらめ行動…早々にあきらめてしまうと、自身の成長を妨げ、成功体験も積めません。
◆感情的行動…感情的に行動してしまうことで、気分で仕事をすると思われがちで、信用が得られなかったり、自分自身も後悔することにもなりかねません。
【個人要因に対するストレス軽減・ストレスの改善】
個人に要因がある場合は、自分の思考や仕事内容を見直します。
個人でどうにもできないことについては、人に相談したり、やり方を変えるなど、別のアプローチをか試してみましょう。
それまでの考え方ややり方を変えるのはすぐには大変なことですが、研修やトレーニングを受ける事でも変えていけます。まずは一人で悩まずに相談してみましょう。
【周囲からのサポートによるストレス軽減・ストレス改善】
ストレス軽減、問題解決には、周囲のサポートを増やすことも大切です。
◆上司からのサポート
◆同僚からのサポート
◆家族・友人からのサポート
相談に乗ってくれる、助けてくれることがストレスを緩和し、サポートしてくれる人がいるということが、安心感にもつながります。
相談役の人は、相手を理解することが大切です。まずは相手の話を聞く姿勢を持ちましょう。
自分だけの事ではなく、一緒に仕事をしている人達を見渡してみましょう。
お互いに理解し合うことが、ストレスを和らげ、職場環境を良くする最適解だったりします。
2・仕事の流れを可視化する
仕事量の増加に伴い、職場でストレスが発生するケースが増えています。これまでと同じ人員で増加する仕事をこなすため、負荷が増して長時間労働を強いられるケースも少なくありません。
このような職場では、仕事を可視化し、俯瞰することで無駄を省き、効率化していくことが早急に必要でしょう。
こうした改善策は、経営層がトップダウンで支持するよりは、現場をよく知る従業員がボトルアップで取り組む方が、結実することが多いです。
正しく、無駄のない仕事をすることが職場環境の改善に必要です。
3・課題
医療機関でも看護師不足、介護や保育でも、介護士不足、保育士不足、IT業界では技術者、プログラマー不足など、きつい仕事には人が集まらず、益々人員不足が加速します。
そのような業界は抜本的な改善が必要かと思います。
給与の改善、仕事の分業化、人材育成、補助や補償なども見直していくことが課題でしょう。
職場のメンタルヘルスは、まだまだ充実しているとは言えません。働く人々が健全な形で仕事できるようになるといいなと思います。
一人で悩まずに相談しましょう。それでも、仕事を続けるのが難しい場合は、転職も一つの選択肢だと思います。