こんにちは。メンタルナースりんご@nsringo55です。
もう2月ですね。1年目の看護師さんは、どんな1年だったでしょうか。
どの病棟もコロナ対応に追われ、コロナ感染におそれ、大変な1年だったかと思います。
1年目の壁。どの看護師も経験するかと思います。
どんなことがつらくて、これからどうしていくかの参考になればいいかなと思い、まとめておきます。
誰でも1年目は不安と緊張でいっぱいですよね。私もあまり覚えてないくらい必死でした。
- 看護師1年目の人
- 看護師1年目を見てきた先輩看護師、プリセプター
- 来年度、どんな看護師になりたいかわからない
- ただただしんどく過ぎた1年だった
- 辛い新人時代だった
看護師1年目の壁
新人看護師さんの主な悩み
- 理想の看護師像と現実のギャップが大きい
- 仕事を覚えるので精一杯
- 仕事がつらい、きつい
- 私生活の時間がとれない、ゆとりがない
- 看護技術、手技、知識に自信がない
- 続けて行けるか不安に思う
- プリセプターや先輩看護師、上司にわからないことを聞きにくい
- 他の看護師や同僚に遅れをとっている気がする
- 医師や他スタッフとの連携、コミュニケーションがいまだにわからない、もしくはつらい
- 患者さんとのやりとりで不安に思うことが多い
新人看護師の頃は、不安も多いと思います。今後、やっていけるかな…と心配になる人も多いのでは。
誰でも不安な1年目
誰でも通るからと言って「我慢しよう」「そんなものだよ」と言っているわけではありません。
自信がありそうな先輩も、頼りになるプリセプターも、みんなそれぞれに看護師1年生だった頃があったんですね。
そう思うと、「自分だけじゃないよね」「みんな1年生だったんだよね」と少しだけ心が楽になりませんか?
1年目を超える具体的方法
不安や悩みがない人はあまりいませんし(そういう人も中に入るかもしれないけど少数かな…)、どこかで「これでいいのかな?」って思いながら新人看護師時代を過ごしてきた人がほとんどです。
どうやって乗り越えていくかというと、まずは自分が何に対してどう不安に思っているか?を洗い出してみると整理して考える道筋が見えてきます。
- 何が不安か書き出す
- その不安を解決するにはどうするかを具体的に考える。
- できることとできないことがあれば、小さくできることから取り組んでみる。
一つずつ具体的問題について解決策を考えてみましょう。
理想の看護師像と現実のギャップが大きい
本当にだれもが感じることではないでしょうか。
学生の頃は、受け持ち患者は1人です。
その患者さんの事を考え、アセスメントし、プランを立て看護を提供するわけですが、実際の業務になると、受け持ち人数は、1人なんてことはなくて、日勤だと少なくとも6人以上~(看護体制や配属されている部署にもよります)、夜勤だと15人以上~が一般的かなと思います。
同時に多人数の患者さんの病状把握、処置、それをこなすタイムスケジュール、急変や対応、柔軟性を持ちつつマルチタスクをこなすという業務体制の中、わからないこと、慣れないことも多く大変ですよね。
「こんなはずじゃなかった」「とてもじゃないけど余裕がなくて自分が思っていた看護ができない」と感じる新人看護師さんは多いのではないでしょうか。
何年たっても感じるテーマですが、自分の理想とする看護を描きつつ、現実で取り入れられるところだけでも、入れてみるとか、意識してみることで、少しずつ仕事にも慣れ、できること、できないことがわかってくるかと思います。
時間はなくて一人一人にじっくりかかわれないけど、「挨拶は忘れない」とか、声掛けをするとか、ささやかでもできることはありますね。
時間はないけど「気にかけています」というのが相手に伝わる看護なら、「忙しそうで呼び止められない」患者さんも待ってくれたり、無理難題を言ってくるなんてこともありません。
少しの心がけで、自分がしたかった看護に少しずつできることはあるかと思います。
「自分はどういう看護がしたかったかな?」と今一度考えてみるのが大切ですね。
仕事を覚えるので精一杯
移動したとき、転職した時にも感じますが、やっぱり新人の頃が一番大変ですよね。
基本技術の取得が1年目の課題でもありますので、学生の頃、技術も一通り習ってきたけれど、現場で実際に患者さんに施行すること、就職先ではやり方が違うことなんていうのもざらにあります。
独特のルールや仕事内容を覚えるのも一からなので、なおさら大変。
しかも、この2年間はどの病棟、医療機関もコロナ対策は必須で、いろんなことがわからないまま、2重の苦しみがあったかと思います。
一度に全部覚えることは困難ですし、私がおすすめしたいのは一日1つ何かを習得するという気持ちで取り組むことです。
「実際に業務をしながらなんだから、そんな悠長なことも言ってられない!怒られるよ!」と思う方もいると思いますが、基本は一日1つをしっかり習得すると、少なくとも1年間で大部分の看護技術は習得できますし、病棟によって経験しにくい業務はマニュアルやイメージトレーニングだけでもいいと思います。
1年目のカリキュラムを取られている病院は多いとは思うのですが、もしかしたら中には「見て覚えて」的な放置な教育体制の病院もいまだにあるのかな…。
もし、そんな苦しい感情で自分で覚えるしかないならば、順番としては、
- 仕事に来ることができる
- 流れを把握する
- わからないこと、不安なことは聞くことができる(わからないことがわからないというのもはじめの悩みですね…)
- とにかく、意思表示してみる
という順で何とかトライしてみましょう。少しずつこなせるようになっていきます。
というか、はじめから何でもできる人はいないので、そこは気にしなくて大丈夫です。
仕事がつらい、きつい
これは、本当に新人看護師さんじゃなくても、医療者ならほとんどの人が感じているのではないでしょうか…。
この悩みに対しては、仕事がつらい原因がなんなのかによるとは思いますが、解決できるようなことであれば、努力してみるのもいいと思いますが、自分の力でどうにもならないことであれば、検討しましょう。
例えば
- 理不尽な対応、人間関係
- 忙しすぎる職場
- 改善する気配がない労働環境
ならば、その職場から離れ、移動や転職も解決策だと思います。
私生活の時間がとれない、ゆとりがない
仕事で忙殺されて自分の時間が取れない、私生活も犠牲にしているようでは、健康な心で働くことはできません。
「なんのために働いているのか?」もう一度考えてみましょう。
自分を犠牲にして、苦しみの中で働いて、自分の体と心を壊しては意味がありません。
休みはしっかり休むこと!
「何もしない」「気分転換する」ことも働くうえでは大事なことです。
ご自身の生活を見直してみてくださいね。
休む時間、自分の時間は無理やりでも作りましょう。
看護技術、手技、知識に自信がない
1年目なので、技術は不安かもしれません。これは結論から言うと、数こなす!これしかありません。
はじめは「苦手だな」「怖いな」「不安だな」と思うかもしれませんが、できるようになってくると、「今度はこうしよう」「できるようになってきた」「楽しくなってきた」に変わっていきます。
ポジティブに考えられる移行期には不安もあると思いますが、苦手を克服するのは練習しかありません。
シンプルですが事実です。
気が付いたらできるようになっていきますし、今でもはじめよりは不安も少なくなってきているはずです。
自転車と同じで一度習得すれば、移動や転職後もいかせます。
知識に関しては、今自分がいる部署の関連疾患、基本的知識を優先してまず勉強しましょう。
知識があれば、患者さんにかかわるときも、不安が減ってくると思います。
続けていけるか不安に思う
これは、個人次第というところです。
人によっては、続けたいけど今のところは嫌だ、看護師はもうやりたくないという人もいるかもしれません。
看護師が続けたいけど今のところが嫌という人は、移動や働き方を変えて看護師として働くのも手だと思います。
もうできない、看護師という仕事自体続けたくないというのであれば、それもいいと思います。
必ずしも看護師にとらわれることはないと思います。
資格に更新があるわけでもないので、いつでも復帰もできるし、またやりたいと思ったら始めるのでもいいと思います。
環境を変えるのも一つの選択肢ですね。
プリセプターや先輩看護師、上司にわからないことを聞きにくい
これはいくつかの原因が考えられます。
- 先輩・上司に問題がある(怖い、威圧的、話しかけにくい雰囲気)
- 忙しすぎて話しかけにくい雰囲気、職場になっている
- 本人が委縮してしまい聞きにくくなっている
①は、自分だけでは改善しにくいですよね。
なので、信頼できる人、話しやすい人に相談するようにするしかないのかなと思います。
相手にももしかしたらいい分があるかもしれないし、一方的に非難することもできないですが、自分でできることが増えてくれば気にならなくもなってきます。
意地悪な人、怖い人は看護師業界だけではなくて、どの職場にも当てはまることが多いので、気にしすぎないことです。
自分が仕事をしていて、きちんと取り組んでいればスルーできるようになっていきますので、そこまでなんとか過ごすのが現実的かなと思います。けど、難しいし辛いですね。
②も同じようなことが言えます。一人一人は悪い人ではないかもしれないけど、忙しく忙殺されていると、病棟全体がピリピリしますよね。
雰囲気にのまれてしまうし、「わからないけど、今聞ける雰囲気じゃない…」ということもあろうかと思います。
優先順位を考え、すぐに対応が必要ならば、意を決して「忙しいところ申し訳ありませんが教えてください」とクッション言葉を添えて簡潔に伝えましょう。
「聞かずに自己判断」もまた叱られてしまうと思うので…。もうこれは誰も悪くない事案です。
③失敗してしまったり、不安が大きいと委縮してしまって、「聞かなきゃいけないのに聞けない」状況にもなると思います。でも、聞かないと不安は大きくなるもの。
わからないことは聞いて、不安を小さくしていきましょう。
他の看護師や同僚に遅れをとっている気がする
これは、どのような時に感じるでしょうか。
はじめはみんな一直線の新人看護師・同僚だったのに、一人で仕事を任されるようになると、「一人前」として扱われるようになるので、「周りと比べてできてないんじゃないか」「同僚の中で自分は遅れを取っているんじゃないか」と感じる機会が増えてくるのかもしれません。
これは、他者と比べることによって感じる「劣等感」です。
比べるのは他者ではなく「自分」に変えてみましょう。
学生の時の自分、1年前の自分、3か月前の自分というように、自分の過去と比べて、できるようになったこと、まだできないことを明確にして、過去の自分を越していけるような考え方をするといいと思います。
人と比べて「できてないな」と感じても「よし、できるように頑張ろう」とか、「追いつきたい」という気持ちがポジティブに働くのであれば、それも自分が成長できる考え方に変換できますね。
医師や他スタッフとの連携、コミュニケーションがいまだにわからない、もしくはつらい
人間関係の悩みは実は第1位です。6割以上の方が人間関係に苦しみ、コミュニケーションに抵抗や苦痛を感じているということですね。
コミュニケーションとは「気持・意見などを、言葉などを通じて相手に伝えること。通じ合い。」ということですが、仕事におけるコミュニケーションというのは、必ずしもお互いに好意をもって行えることではないこともあります。
意見の食い違い、齟齬、ぶつかり合いもあるかもしれません。
でも、伝えなければやはり伝わりません。
コミュニケーションが苦手な方は、一度頭の中で「こう言おう」というのを組み立ててから話してみましょう。
あとは、コミュニケーションが上手な人、自然な人、話しやすい人のまねをしてみるのもいいですね。
普段からの関係性が信頼関係のベースになるので、コミュニケーションは上手でなくてもいいので、まずはとってみることを試みてくださいね。
案外とっつきにくい人も、話してみると話しやすいこともありますし、雑談から見える人柄もありますので、雑談もいいのかなと思います。
患者さんとのやりとりで不安に思うことが多い
これは視点は2つです。
- 患者さんによるもの
- 自分の中の自信のなさ
①は、新人さんという気持ちで見てくれる優しい患者さんもいれば、「プロなんだから」という思いで見られることもあるでしょう。
患者さんも色々いますよね。
必ずしも円滑にいくケースばかりではないですが、そこは基本に戻って、個々のパーソナリティーやニーズを見るようにしましょう。
②は、1年目じゃなくても、不安がすべてぬぐえるわけではないかもしれません。
患者さんは、人生において先輩の人が多いわけですし、未熟感は感じますよね。でも、看護師としてはプロフェッショナルなわけですから、看護師として患者さんに何ができるかを考えて、自分のできることを見つけていきましょう。
話せる人がいるということ
看護師1年目の壁を超えるのは簡単ではありません。
頭でわかっていても、実際はむずかしかったり、毎日が忙しく過ぎてしまったり。
おすすめは信頼できる人に話を聞いてもらうこと
今は、コロナ禍で、食事や飲みに行くのも控えている人も多いと思いますが、メール、line、電話でもいいので、信頼できる人、話せそうな人に気持ちを聞いてもらいましょう。
話すことによって「気持ちが少し軽くなる」「心が整理される」ということがあります。
話す人がいないという人はSNSで思いを吐き出してもいいと思います。
SNSでレスポンスをくれる人もいますし、同じような境遇の人に励まされることもしばしば。
参考になる意見もあるし、心支えられることもあると思います。
我慢しすぎないようにしてくださいね。
まとめ
1年生がぶつかりやすい壁について書いてみました。
日ごろ怖い先輩にも苦手な上司にも1年生の頃があったと思うと「どんな感じだったのかな?」「自分だって新人の頃があったでしょ」と考えたりしませんか?
私の1年目は、思い返すと、全部当てはまるかも?と思うくらいの看護師でした。
消灯すぎまで日勤の仕事が終わらないような毎日でした。
それでも、思い返せば、スタッフは仲が良くて(怖い人もいましたけど)先輩にも先生たちもかわいがってくれたし、患者さんも学生時代とはまた違った思い入れがあって、今でもよく覚えている患者さんばかりです。
一言でいうと、大変な時期だったけど、かけがえのない新人時代という感想です。
そして(気がつけばという感じですが)なんとか20年ほど看護師を続けることができました。
1年目の先輩やプリセプターは今でも仲良くしてくれているし、自分が指導したプリセプティ達も今でも慕ってくれています。
1年目って、看護師人生を大きく左右するくらい大事な時期でもあるかなと思っています。
みなさんの1年目がどうか嫌なことだけで過ぎていきませんように…と心から思います。
看護師になろうと思った気持ちはそれぞれだろうけど、
「看護師になれた!」
「仕事を覚えよう」
「1年目の看護師頑張ろう」
と思って入職されたと思います。
その時の気持ちがずっと続くかというと、そう思えないこともたくさんあったと思うし、大変な中やってきたと思います。
こんな世界中が大変な中、看護師1年目を過ごしてきたことは本当にすごい。
2年目も続けようと思っている人もそうでない人も、自分らしい人生を歩めますように。
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